竹取物語 〜その4〜

 彼ら、石作の皇子(いしつくりのみこ)、
右大臣阿部御主人(うだいじんあべのみうし)、
庫持の皇子(くらもちのみこ)、大納言大伴御行(だいなごんおおとものみゆき)、
中納言石上麻呂足(ちゅうなごんいそのかみのまろたり)五人は、
世間に並居る人の中でも、少しでも器量良しと聞いては、見たい会いたいと
思う人達であった。

 だから、噂に高いかぐや姫を見たい、かぐや姫に会いたいと思って
物も食べる余裕もなく姫の邸に通っては辺りをうろついてみたがその甲斐はない。

 恋文を贈ってみても返事は無し。その恋情を、苦しい恋の歌を贈ってみても
やはり返事は無し。


 もう駄目なのか駄目なのか、と思ってはみるけれども
十一月、十二月に雪が降り、氷の張る季節にも
六月の日が照りつけ、雷鳴が轟く季節にもやはり邸へ通ったのであった。

 この五人は、ある時には竹取のじいさんを呼び出して
「かぐや姫を私にください」
と頭を下げ、懇願してみたが
「自分達の本当の子ではございませんので、私の思うとおりには
ならないのですよ」
と断り文句を言うばかりで、月日ばかりが流れていった。



 こんなことだから、五人は自宅へ戻っても、姫の事を想い煩い、
何とかならぬものかと神仏に祈りを捧げてみるが、姫への思いは
消えることはなかった。

 「そうは言ってはいても、結局は結婚させるのだろうから」
と思い、なんとか望みを持って、自分の誠意を見せるべく
やはり邸へ通ったのだった。


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