竹取物語 〜その3〜

 爺さんの邸に住む仕えの人々ですら、易々と彼女を見ることは出来ないというのに
通ってくる男共は、夜もろくに眠らず、通ってきては
邸の周りの垣根や門に穴をあけては、中を覗き見、恋を思い悩んだ。


 この時から、このような行為を
「よばい」 と言うようになった。


 人が取り立てて問題にもしない、つまりは普通の人なら
思いつきもしないような場所にまで入って、かぐや姫を見ようと試みるが、
何の効果もなかった。

 邸の使用人に、せめてほんの少しでもいいから声を姿を、と
頼んではみるものの、相手にもされない。

 それにも関わらず、朝な夕なと邸の周りをうろつく貴公子たちがたくさんいた。

結局この恋心にいい加減飽きてしまったり、熱が冷めてしまった連中は
「まったく無駄なことをしてしまったよ。」
などと言い、邸に通わなくなってしまった。


 そんな数いる求婚者の中でも一向に諦めなかったのは、
いずれも恋愛の達人と言われた五人の人達で、夜も昼も変わらずに通っていった。

 五人はそれぞれ、石作の皇子(いしつくりのみこ)、
右大臣阿部御主人(うだいじんあべのみうし)、
庫持の皇子(くらもちのみこ)、大納言大伴御行(だいなごんおおとものみゆき)、
中納言石上麻呂足(ちゅうなごんいそのかみのまろたり) といった。


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